「お転婆ツンデレ令嬢は、拗らせ不器用令息をいつだって尻に敷いている」 - 香月しを

# ミーティアノベルス # 新刊情報

お転婆ツンデレ令嬢は、拗らせ不器用令息をいつだって尻に敷いている - 香月しを

内容紹介

「……私ね、本当はちっとも女の子らしくないの」

「そうなの?」

「お転婆をやらかして、いつもお母様に怒られているのよ」

「ははッ。いったい何をやらかしているの?」

「木登りしたり、木刀を振り回したり。あのね、従兄達も騎士を目指していて、みんなで訓練しているの! お母様達がいない時は、私にも稽古をつけてくれるのよ! でもお母様はどこからか私が木刀を振り回していることを聞きつけて、そんなお転婆な女の子は、お婿さんになる人に嫌われてしま…………やだ私!」

 調子にのってペラペラと喋ってしまったシェイラは焦った。お転婆な女の子は嫌われるというのに、一番知られてはまずい相手に教えてしまっていたのだ。じわりと目に涙がたまるのがわかった。瞬きをひとつするたびに、ほろほろと頬を何かが流れ落ちていく。

「ど、どうしたの?」

「だって……お転婆な私は、クリフトン様に嫌われちゃう……」

「嫌ったりしないよ!」

「……本当?」

「本当。ねえ、よかったら君がいつも遊んでいる遊びを教えてくれる?」

「本当に? 本当に嫌ったりしないの?」

「活発な女の子は可愛いと思うよ!」

「可愛い? えへへ。でもね、従兄は私を凶暴女って呼ぶのよ。木刀を持たせたら危険だから片付けろって。それでも嫌われないのね。良かったぁ。あ、クリフトン様、こっちよ。侍女達を撒いて裏の森に行きましょ!」

 え、と声を出したクリフトンの顔が強張る。凶暴女とは。木刀を持たせたら危険と言われる少女とは。ぐるぐると頭の中を不安が渦巻くが、可愛いと言われて嬉しくなってしまったシェイラはクリフトンの変化に気付かず、ぐいぐいとその手を引く。急に走り出した二人の後ろから侍女や護衛が何か叫ぶが、近くの茂みに飛び込んで、迷路のような小道を抜けて森を目指した。

  

「馬鹿野郎! あんな子供に手を出せるか! 胸もまったく膨らんでいないガキなんだぞ! 婚約者と言っても、まだ子守りをしているようなものだ!」

 小さな頃から大好きだった婚約者が友人と話しているのを聞いてしまった伯爵令嬢のシェイラ。ショックを受けて、家まで追いかけてきた侯爵令息のクリフトンに素直じゃない態度を取ってしまう。

 思春期で拗らせている不器用すぎるクリフトンはシェイラの気持ちを取り戻すためにポンコツ恋愛指南書を使って不器用に口説いているが、それが全て裏目に出てしまい……

「気持ち悪いんですけど」「なんで一人称がコロコロ変わるの?」

 淑女教育は進んでいるが、どうしても素の部分が出てしまうお転婆シェイラ。

 果たして二人の恋の行く末は?

編集部より

 ミーティアノベルス完全書き下ろし作品!

 幼い頃、シェイラとクリフトンの間に結ばれた婚約。

 しかし仲が良かった幼少期から一転、素直になれない思春期を経て、二人の心は次第に距離があいてしまいます。

 関係修復を図ったクリフトンが頼ったのは、時代遅れの恋愛ハウツー本。彼が鵜呑みにする歯の浮くようなセリフや振る舞いに、シェイラはつい突き放すような態度をとってしまい……

 ちょっとツンデレな伯爵令嬢と、不器用すぎて空回りしている侯爵令息の物語をぜひお楽しみください!

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