私はきっと、彼の指先から恋に落ちたのです。「恋陽炎」 - 山吹あやめ

# ネット文庫星の砂

恋陽炎 - 山吹あやめ

内容紹介

しずかに文庫本のページをめくる指先は、あまりにもきめ細かくて。とても、四十間近の男性の手とは思えません。

きっと、水仕事も土いじりもしたことがないのでしょう。

きっと、ここで――文芸部の顧問として、本をめくるためだけに生まれてきたのでしょう。

そんな想像をしてしまうくらい、先生の指はきれいでした。だから私は、つい、見つめてしまうのです。

 

第18回星の砂賞 審査員特別賞

私はきっと、彼の指先から恋に落ちたのです。

 

コンテスト特別審査員・芥川賞作家の三田誠広先生より(抜粋)

小説の中にもう一つの原テキストが組み込まれていて、いわゆるメタ小説的な設定になっている。つまり伝説のライトノベルが書かれたと思われる高校の文芸部室をヒロインが訪ねるところから話は始まるのだが、隣の部室が南部弁研究会で、つねに南部弁を話す男子が関わってくる。この南部弁が魅力的で、センチメンタルなライトノベルにあこがれるヒロインの立ち位置を相対化する。(中略)よく考えられた設定を、楽しい会話でひっぱっていく作者の筆力を評価したい。

 

編集部より

小説内小説を巧みに用いた構成、南部弁を話す橙先輩との軽快でテンポよく進む会話シーン、そして最後には……と非常に「読ませる」作品です。

陽炎のように揺らめくほろ苦い恋愛ミステリをぜひお手にとってお読みください!

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