「腐女子ですので、推しで同僚の腐男子くんから目が離せません」 - 清水苺

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腐女子ですので、推しで同僚の腐男子くんから目が離せません - 清水苺

内容紹介

 黒い髪を七三分けにした髪型に、透き通るような真っ白な肌。目鼻立ちはハッキリとしていて、二重の瞳には長い睫毛が生えている。きりっとした黒い眉毛は綺麗に整えられ、第一印象はまさしくクールビューティだ。

 しかし、彼が時折見せる笑顔は、どこか近づきがたいようにも感じるその完成された容姿からは想像もできないほどに愛らしくて、そのギャップが美音にはどうしようもなく堪らない。

 身長も百八十センチをゆうに越え、鍛えられたその体躯は美しいの一言だ。

 そんな優れた容姿も相まってか、仕事のできる賢斗はこの社内で一番の人気を誇っていた。

 さらに、独身である賢斗からは彼女がいるような様子も見受けられない。少なからず、賢斗が今の部署に配属された二年前から、一度として恋人の気配を彼から感じたことはなかった。

 そういう訳で、彼にアプローチをかける女性社員は今でも絶えないが、それもすべて常に笑顔で躱して続けている。

(彼女がいる様子も、作る様子もないってことは……それってつまり、長年の想い人がいるってことよね?)

 そして、そのお相手は……きっと。

「お疲れ!」

「お疲れ」

 同じフロアで働く賢斗の同期社員、高野真守。

 彼は紙パックのジュースを手にしたまま、賢斗に笑顔で話しかけた。

「このジュース、そこの自販機で買ったんだけどさ、クソ不味いから飲んでみて」

「なんでお前の飲みかけなんか飲まなきゃいけないんだよ」

 真守は現在、人事部採用課に所属する、この会社の男性社員人気ナンバー2(おそらく)の、笑顔が爽やかなイケメン社員だ。

 広告代理店ということもあって、服装と髪型は自由。そのため、真守はスーツを着用しているものの、明るい茶髪に染色している。

 健康的な肌の色をした彼は、アイドルのような大きくくりっとした瞳と、鼻筋の通った高い鼻が印象的だ。モデルのようにすらりとした体躯はほんのりと鍛えられ、背筋はピンと伸びている。

 真守が街を歩いていたら、きっと多くの女性はその美しさから振り返ってしまうだろう。

 いつも笑顔の彼からは明るい美を感じさせ、親しみやすいその雰囲気は、裏表のない、誰に対しても優しい性格を象徴していた。

(高野さん~! もっと、もっと攻めて~! 石崎さんに、飲みかけのジュースを飲んでもらって~!)

 高野真守(攻め)×石崎賢斗(受け)。

 ……と、『脳内で勝手に』カップリングをしている美音は、今日も真守と賢斗の掛け合いから目が離せない。

(とは言っても、分かってるのよ? 高野さんには大学時代から交際を続ける女性がいて、二人はただの親友。でもね? そういうことじゃないの。一度でもそう見えてしまったら、そうとしか思えないの。だって私、腐女子ですのでっ!!)

 

 腐女子の園崎美音には三次元の推しがいる。それは同僚でイケメンのエリート社員、石崎賢斗だ。彼は同じフロアで働く高野真守と大の仲良しで、二人が楽しそうに会話する姿はまるでBLの攻めと受けのよう。という訳で、脳内で勝手にカップリングをして楽しんでいる美音は、今日も受け(と想像している)賢斗から目が離せない。

 そんなある日、同人誌即売会で賢斗の姿を目撃した美音は、彼が隠れ腐男子であることを知ってしまう。余計に腐女子心をくすぐられる美音だったが、賢斗は賢斗で(社内で腐男子であることを言いふらされたら困る……!)と、美音に急接近してきて──!?

 脳内カップリングをして楽しむ腐女子園原美音と、趣味のせいで恋には苦い経験しかない腐男子石崎賢斗による、ドタバタラブコメディ開幕!

 

編集部より

 ミーティアノベルス完全書き下ろし作品!  

 会社のイケメン同僚同士(いわゆるナマモノ)の脳内カップリングを日々楽しんでいる美音は、その道16年の腐女子です。

 男性社員人気ナンバー1の賢斗とナンバー2の真守の交流を生温かい目で見守る美音でしたが、ひょんなことから賢斗が隠れ腐男子であることを知ってしまい……?

 腐女子と腐男子による、ドタバタラブコメディ! ぜひお楽しみください!

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