「女神から与えられた余命一年で闇落ち予定の婚約者を救います」 - 束原ミヤコ

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女神から与えられた余命一年で闇落ち予定の婚約者を救います - 束原ミヤコ

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第4巻 内容紹介 

 シェザード様が差し伸べてくださる手に、自分の手を重ねる。

 白い婚礼着姿のシェザード様は、フランセス様がおっしゃっていたように、女神様を守る雄々しい騎士のようだ。

 光を受けて輝く、新雪のような銀の髪。昔は氷のように冷たいと感じたけれど、今は凪いだ海のような穏やかな青い瞳。

 私よりも頭一つ分以上は背が高く、男らしいしっかりとした体つきは何を着てもよく似合う。

 元々見栄えがよい方だとは思っていたけれど、この一年でシェザード様は、すっかり大人の男性になったような印象を受ける。

 男性的な魅力が増したというのだろうか。背筋をまっすぐ伸ばして立つ姿は、威風堂々としている。

 少し気後れしそうになる自分を叱咤して、私はシェザード様の視線をしっかり受け止めると、微笑んだ。

「それでは、シェザード・カダールと、ルシル・フラストリアの婚姻の儀式をこれから執り行いたいと思います」

 

 女神の試練を乗り越えたシェザードとルシルは、皆に祝福をされながら結婚式をあげて、幸せな初夜を迎えることができた。

 穏やかな日々が訪れたと思っていた矢先、隣国グリーディア王国に留学をしていたルシルの友人のセリカから隣国の騎士団長のギルフェルドについての手紙が届く。どうやら彼がエデンを売った金で武器を買い、兵士たちを集めているらしい。

 ギルフェルドとは、実はシェザードの実父であり、カダール王国にエデンという毒を売りつけた諸悪の根源である。

 即位祝いのため来国していたグリーディア王国の王族との会談でシェザードの出自を明らかにしていた最中、ギルフェルドの部下の騎士たちが乱入してきた。どうやらグリーディア王国でギルフェルドによる内乱の火ぶたが切って落とされたようだ。

 シェザードは大切な人々を守るため、グリーディア王国の王族と協力をしてギルフェルドを討とうとグリーディア王国へと向かうのだった──。

 試練を乗り越えた二人が、本当の幸せを掴むドキドキハラハラの4巻!

第3巻 内容紹介

 たくさん迷惑をかけてしまった。何より私を、優先してくれた。

 ――本当に、あなたが好きだ。

 心から、あなたを愛している。

 つんと鼻の奥が痛み、泣きそうになってしまうのを堪える。

「しかし……王都の争乱で武功をあげれば、君の立場も少しは……」

 お父様が言い淀んだ。

 シェザード様は真っ直ぐにお父様を見つめて、なんのためらいもなく言う。

「今更取り戻したい立場など俺にはありません。フォード父上は俺のような者に、ルシルをくださった。フラストリア公爵家に婿入りをさせてもらえる。俺は、それだけで十分です」

「シェザード。……本当に、君はいい息子だ。ありがとう」

 シェザード様は私の手を優しく握って、大丈夫だというように、私に微笑んでくれる。私は胸がいっぱいで何も言えずに、小さく頷いた。

 

 侯爵令嬢ルシルは、一度目の人生で学園の卒業式の日に婚約者の第一王子シェザードに殺されている。

 女神の温情で一年前に戻り、改めて人生を送っているが彼女の命の期限は前回死んだ時と同じ、卒業式の日である。

 残された時間でシェザードに心からの愛を伝え、彼の隣にいることが幸せだと惜しみなく伝えていくことを決意するルシル。

 そんな中、ルシルを攫ったヴィクターにより、シェザードの生い立ちについて衝撃の事実が明かされる。シェザードはそのことを受け入れたかに思われたが、ある日突然、シェザードはいなくなってしまった。

 実は、ルシルがずっと隠していた彼女の命の期限に気づき、ルシルを救うため女神の神託を受けるのだと巡礼の旅に出たのだった。

 ルシルはシェザードを追うことを決意するが、国王の地位を継いだアルタイルに城内の部屋に閉じ込められてしまった。

 シェザードに会えないまま最後を迎えたくないと、ルシルは皆の力を借りて城から抜け出し、過酷な道のりを進むのだった――。

 ルシルやシェザードを想い、二人を助けるために協力をする家族や友人たちの姿を描く、番外編も収録。

第2巻 内容紹介

 自分のことなどどうでもいい。私はシェザード様に幸せになってほしい。そのためならなんだってする。

 そう――願った私に現れた女神ノクティリア様はおっしゃった。

『あなたの時間を戻しましょう。けれど死の理から逃れることはできない。あなたは同じ日同じ時間に再び命を落とすでしょう』

『あなたは私との約束を誰にも話すことができない。時が戻り、あなたがやがて死に至ることも。あなたはそれを口に出すことも、文字に書くこともできない。それでもあなたは愛するものを救いたいと願いますか』

 私は、女神様の提案を受け入れた。

 再び命を落とすとしても、何かできることがあるのなら。シェザード様が幸せになるためなら、なんだってする。

 そう――思っていたのに。

 

 公爵令嬢ルシルは第一王子シェザードと婚約しているが、今までは他者を拒絶するような態度をとる彼に近づくことができず、ずっと第二王子アルタイルに頼ってばかりいた。女神の温情により1年前に戻ったルシルはシェザードと気持ちを通わせることができたが、周囲の者から二人の王子を惑わしているという悪評を立てられてしまっていた。

他の公爵令嬢や騎士団長の息子などから言いがかりをつけられる中で、ルシルはシェザードに対して愛情を伝えることで誤解を解くことができたのだ。

 これまでは、シェザードに本当の気持ちを伝えてしまえば未練になると黙っていたのだが、素直な気持ちを伝えることでルシルは幸せな気持ちになり、シェザードもまた、ルシルを深く愛してくれるようになったのだった。

 しかしルシルは、自分の命が残り少ないことをシェザードに伝えられずにいた。ルシルは来年の春には女神の元に召されてしまうことが決まっているのだ。

 そんな秘密を抱えたまま学園が夏期休暇になり、ルシルはシェザードと共に公爵家に戻った。家族に出迎えられて、二人で穏やかな日々を過ごしていたある日、観劇に出かけた帰り道でかつて王都の路地裏で出会ったヴィクターの罠にかかり、ルシルは攫われてしまった。

 シェザードはルシルを助けるため、不仲だった弟アルタイルに助力を頼もうと王都へ駆ける――!

※電子書き下ろし番外編に2作を収録。

第1巻 内容紹介

「ルシル、ルシル……!」

 赤く染まった手が私の頬に触れる。

 生ぬるい涙が顔に落ちる。美しい紫色の瞳から、涙があふれている。

「……シェザード、なんてことを」

 震える声で、アルタイル様が言った。

「死ぬな、ルシル……すまない、俺は……っ」

 シェザード様は私の体を抱きしめる。

 呼吸ができない。意識が遠のく。

 私はシェザード様を抱きしめかえしたかったけれど、体を動かすことはできそうになかった。

 深い後悔が胸を支配する。

 私が――私が、もっと、しっかりしていれば。もっと、シェザード様と話をしていれば、こんなことにはならなかったのに。

 シェザード様はどうなってしまうのだろう。

 できればもう一度、やり直したい。

 ――私はどうなってもいい。

 シェザード様を救いたい。

 傍にいたのに、何もできなかった。

 こんなことになるまで何もできず、何もしようとせずに、ただ見ていただけだった。

 ――好きだったのに。ずっと、好きだったのに。

 ぷつん、と意識が途切れた。

 痛みも苦しさもすべて消えた。まるでランプの明りを消したように唐突に、あたりが暗闇に包まれる。

 何も感じない、見えない世界で、シェザード様の私を呼ぶ声が最後まで響き続けていた。

 フラストリア公爵家のルシルは15歳の時にカダール王国第一王子シェザードと婚約をした。

 王位継承権は弟王子のアルタイルにあり、第一王子であるにもかかわらずシェザードはフラストリア公爵家に婿入りする予定であった。

 シェザードは王家の中で冷遇されており、粗野で乱暴な性格だった。そのせいで、ルシルは彼に惹かれていたにもかかわらず彼に嫌われていると思って親しくなることができず、優しいアルタイルとばかり過ごしていた。

 王立学園を卒業する日、シェザードはアルタイルに刃を向けた。ルシルはアルタイルをかばい、凶刃に倒れてしまう。

 死の淵でルシルは女神ノクティリアに頼み、シェザードのためにもう一度だけやり直すチャンスを与えられた。

「あなたの切なる願いに温情を与え、時を戻しましょう。けれど、同じ日、同じ時間にあなたは命を落とすでしょう。あなたの命には限りがある」

 ルシルが命を落とした卒業式の一年前に時は戻り、限られた時間の中でシェザードと親しくなり、その心を癒やし、彼の運命を変えるのだと決意する。

編集部より

 人気作品がミーティアノベルスに登場!

 両親から不遇な扱いを受けている第一王子シェザードの婚約者となった公爵令嬢ルシル。

 婚約者と親しくなることのできぬまま時を過ごしていたルシルは、学園卒業の日、シェザードの弟を庇って刺されてしまいます。

 凶刃に倒れてなお、今度こそシェザードと向き合いたい願う公爵令嬢ルシル。女神の力を借りて時をやり直し、彼の運命を変えることを決意しますが――

 第1~3巻の限定書き下ろし番外編に加え、電子書籍版第4巻はミーティアノベルス書き下ろしの内容となっております!

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