「王国一の朴念仁が歳の離れた令嬢と幸せを掴むまで」 - 香月しを

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王国一の朴念仁が歳の離れた令嬢と幸せを掴むまで - 香月しを

内容紹介

「モーガン様、今すぐわたくしを攫ってお嫁にしてくださいませ」

 思い詰めたような表情で、ルルド・アンダー公爵令嬢は目の前の男を見た。グレーベージュの瞳は潤み、今にも涙が零れそうだ。

 カフェの個室。壁際に控えている侍女も護衛も、主人の突然の暴走に慌てふためいた。何せ、まだ婚約すら交わしていない相手に、公爵の許しも得ずに婚姻の申し込みである。いや、寧ろ駆け落ちの申し出だろうか。

「…………えッ?」

 求婚された男、モーガンは、更に驚いていた。普段はポーカーフェイスを心掛けている男が、目を見開いて呆けている。

モーガンは三十八歳、十八歳のルルドとは歳が二十も離れている。しかも、アニストン伯爵家の執事であって、貴族籍も持っていない。公爵令嬢という立場のルルドを嫁に出来る身分ではないのだ。

  

「モーガン様、いますぐわたくしを攫ってお嫁にしてくださいませ」

 思い詰めたような表情で告げられた公爵令嬢ルルドの言葉に、優秀な執事モーガンは目を見開いたまま固まってしまった。

 モーガンは周りと髪色と瞳の色が違うことで浮いた存在として育った孤児だった。ある日、自分が大国の王子であると知ったが、捨てられたことには変わりないと鬱々とした気持ちで過ごしていた。そうして思春期を拗らせて不良の仲間入りをしていたが、新たに孤児院のオーナーとなった子爵夫人トリスタとの出会いにより執事の素質を見いだされ、即日孤児院を出ることを決意。トリスタの執事となるため真っ当な道を歩きだしたのだが、彼女は若くしてこの世を去ってしまったのだ。

『いい娘見つけて幸せになりなさいよ』

 記憶の中の彼女がいつもそう言って笑っていたのを思い出し、彼女のような女なら考えてもいいかもなと感傷に浸るものの、なかなかそんな女性は現れるわけもなく、今日もモーガンは完璧な執事として務めを果たすのだった。

 しかしトリスタの孫の親友である公爵令嬢ルルドがこともあろうか、身分を超えて求婚してきた!うまくかわし続けるものの、亡きトリスタが重なって見え、懐かしいと感じている内に次第に惹かれていき……。

編集部より

 ミーティアノベルス書き下ろし作品!

 孤児として産まれながら子爵夫人に執事の才能を見出されたモーガン。夫人の執事となるべく努力を重ねたものの、彼女は早逝してしまいます。

 やがて子爵夫人の孫の親友であるルルドと出会います。ルルドは公爵令嬢でありながら、孤児の出であるモーガンに求婚してきて……? 身分&年の差ラブの行方は?!

 なお、本作は『自称空気の読める令嬢は、義兄の溺愛を享受する』のスピンオフ作品でもあります。

 単体でももちろんお楽しみいただけます!! が、2作品ともお読みいただくと作品世界をより深くご堪能いただけるかと思います! ぜひ合わせてお楽しみ下さい!

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